Tokyo City Univ.
Dept. of Urban Studies
Interior Planning LAB*

Tokyo City Univ. Dept. of Urban Studies Interior Planning LAB*

 共同研究・産学プロジェクト/PROJECTS_2

 
 
 
 
東京都市大学都市生活学部インテリアプランニング研究室で行っている産学共同プロジェクトをはじめ、各種企業様との共同研究、公共団体様からの受託研究事業も含めて紹介しています。テーマリストから気になるものを見てみて下さい。また、共同研究・研究の委託については下記リンク先のQ&Aを御覧ください。 Our laboratory is engaged in numerous industry-academia joint projects and joint research with companies and public organizations. The details are as follows.
 
 
 

最近の産学共同プロジェクト一覧/Recent industry-academia joint projects

 
 

【共同研究】可動式デジタルサイネージを用いた平常時・緊急時を問わない混雑環境における人流制御・誘導方法を開発~日本工営・日本工営都市空間との共同研究~//Controlling Pedestrian Flow at Stations Using Digital Signage

 我々東京都市大学都市生活学部 インテリアプランニング研究室は、建築空間・都市整備コンサルティング国内最大手である日本工営株式会社・日本工営都市空間株式会社との共同研究契約をむすび、株式会社東急総合研究所と協働して、首都圏大規模4駅の人流調査データから、慢性的な混雑・交錯・滞留を呈しているゾーンである「混雑負荷が高く人流事故が起こりやすい箇所」を特定し、可動式デジタルサイネージによる情報提示・ナビゲーションにより、人の流れを動的に制御・誘導する方法を、離散系マルチエージェント人流シミュレーションで明示しました。これにより、平常時の歩きにくさの是正のみならず、地震・災害等発生時から復旧時に至る駅構内の混乱を未然に低減させ、質の高い都市交通拠点の整備例を見出しました。

(日本経済新聞Web・日刊工業新聞・Yahoo!ニュース等プレスリリースより抜粋)東京都市大学(東京都世田谷区、学長:三木千壽)都市生活学部 都市生活学科、高柳英明教授は、日本工営株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:新屋 浩明)、日本工営都市空間株式会社(愛知県名古屋市東区、代表取締役社長:吉田 典明)と共同で、混雑環境(駅や空港、テーマパークなど)における3様態(平常時・緊急時・復旧時)の人流を可動式デジタルサイネージを用いて制御・誘導する方法を構築しました。
 
 新型コロナウイルス感染症への警戒がひと段落し、日常生活が戻りつつある今、人の多く集まる場所では、地震や災害時の対応、群衆事故の発生などが懸念されることから、一層人流を制御・誘導する方法が求められています。また、建築空間や都市整備を行う際にも人流の把握は要となっており、事前に調査・解析する設計支援技術が求められています。今回構築した方法は、離散系マルチエージェント人流シミュレーションによるもので、自由歩行の「平常時」の状態から、災害が発生した「緊急時」、その2、3時間後の「復旧時」に移行するまでの3様態を包括的にシミュレーションすることが可能です。また、情報提示・ナビゲーション機能を持つ可動式デジタルサイネージを導入することにより、混雑・交錯による人流事故の回避が可能となり、駅を含め、人混みが予想される混雑環境での適用が期待できます。
 
日本経済新聞新聞Web記事:https://www.nikkei.com
東京都市大学プレスリリース:https://www.tcu.ac.jp

【共同研究】カメラ動画像と三次元レーザ計測を併用して人混みでも80%以上の人の動きを把握できる技術を開発~安全かつ快適で質の高い都市空間を整備するために~

 進む首都圏の土地利用の高機能化をはじめ、都市生活基盤のDX化や歩車空間のITS化といった社会要請を受け、都市空間の整備においては、単なるハード整備のみならず、如何にして質の高い空間利活用が可能かについて、人流把握・解析により『事前に提案内容を評価する事』が求められつつあります。併せて昨今の動画像カメラ・三次元レーザ計測機器等の、歩行者行動の質的、量的把握技術も益々高度化し、都市情報提示技術への応用事例も多見されますが、それらの把握精度については「どれくらい確からしいデータであるのか」が未だ明示されていません。これはひとえに、混雑それ自体が引き起こす人垣の影による「センシング・オクルージョン」が要因であり、混雑度合いを示す群集密度のサービス水準(単位[㎡/人])に連関し、把握の度合い、つまり同定率(単位[%])が変化するものと見ています。このたびインテリアプランニング研究室は、この群集密度別に見た同定率を明示しつつ、動画像カメラと三次元レーザ計測の併用により80%以上の水準の同定率を担保する手法を明示しました。

東京都市大学 都市生活学部の高柳 英明教授は、建築空間・都市整備コンサルティング国内最大手である日本工営株式会社・日本工営都市空間株式会社との共同研究のもと、同大学キャンパス内のアメニティ施設(世田谷キャンパス7号館1階 「nana café(ナナカフェ)」)周辺を対象空間とし、カメラ動画像と三次元レーザ計測を併用した利用者の行動把握を実施しました。人流の混雑密度すなわちサービス水準を適用した人流量の同定率を明示すべく、その精度検証を行いました。
既存のカメラ動画像、あるいは三次元レーザ計測のみの把握では、約65%程度の同定率であったものを、人流の混雑度合いであるサービス水準毎に併用し、正しい把握事象数に対して
 
○サービス水準A0.81/人、空いている駅コンコース程度)にて81.3%
○サービス水準B1.21/人、通常の通勤人流の混雑程度)にて85.7%
○サービス水準C1.62/人、歩き難さを感じる通勤人流)にて84.0%
 
の各同定率を得ました。低混雑度合いにおいては、立ち止まり・滞留による長時間のオクルージョンが起こる事が示唆され、単純に混雑度合いが高くなるにつれ同定率が下がるものではないといえます。
 
いよいよ人流解析が都市デザインに必要な時代になりました。
本研究の事が以下の新聞・サイト等に取り上げられました。
 
日本経済新聞Web版:https://www.nikkei.com
Yahoo!ニュース:https://news.yahoo.co.jp/articles/

 【受託研究】高円寺-阿佐ヶ谷地区の高架下テナント開発にかかるモデルワークショップ

 
 本ワークショップは、高円寺〜阿佐ヶ谷地区・首都圏在住の一般参加者や、建築・都市開発に興味のある初学者・大学生等を対象とし、既存高架下テナントの付加価値創造と地域ブランド力の醸成に寄与すべく、アイデア創発型のイベントとして開催した。当日前半において、日本とドイツの高架下活用の事例紹介をはじめ、駅と街の成り立ち(都市形成の系譜)の違い等の基礎知識をレクチャーし、後半にて高架下テナント模型(スケール1/50、スチレンボード製)を用い、3テーブル毎にブレスト・セッションを行った。主催方・地域住民の方の好評を得たため、今後シリーズ開催を予定している。尚、当日次第の詳細は以下の通りである。

開催日時:2019年6月2日(日)13〜16時
開催場所:JR高円寺駅高架下空きテナント
運営体制:㈱ジェイアール東日本都市開発、都市生活学部インテリアプランニング研究室、高柳英明准教授および研究室3年・4年・修士1年生メンバー
参加人数:50名
当日次第:
 ○13:00- 開会挨拶・レクチャー(日本・ドイツの比較高架下論)
 ○13:25- ワークショップ開始、参加者プロフィールデータ記入タイム
 ○13:45- シンキングタイム1:「こんなテナントあったらいいな」
 ○14:25- シンキングタイム2:「模型を見ながら発想の幅広げよう」
 ○15:00- シンキングタイム3:「高架下もしもコーナー」(高架下に求めるロールプレイング・トライアル)
 ○15:50- 結果講評・終了挨拶、16:00 閉会
尚、開催の準備段階では、ヤフーニュース等へのプレスリリースを行い、広く参加者を募集した。
イベントHP:https://asagaya.tokyo

【共同研究】「信楽焼」陶器の骨材を用いたインテリア建材の開発

 
  本研究は、信楽産陶器の、高粘性かつ粗粒度の土質特性に着目し、その生産廃材等を有効活用すべく、建築空間のインテリア・エクステリア建材に活用する方法を材料実験等を通して検討することを目的としている。概要としては、信楽陶器の生産過程で生じた廃材粒子を、粒子形状やサイズ・土質部分および釉薬面の色彩、平滑性別に分類・管理し、一般的な建築仕上工法であるモルタル金ゴテ仕上げ、あるいは洗出し仕上げの骨材として用い、数種のサンプルパネルを構築し、性能評価を行うものとする。評価方法は、a)蓄熱・放熱特性、b)表面平滑特性、c)色彩感性モデル検討を予定している。
 本研究の特徴は、これまで廃棄処分とされてきた信楽陶器の廃材を有効活用できる点と、これらが持つ陶器の風合い・蓄熱性・平滑性・適度な硬度などの特徴を活かし、これまでにない建築空間の仕上げ方法を提案できる点も有意義といえる。

 
調査内容:
○調査1:サンプルパネルを用いた蓄熱・放熱特性評価(日照・室内気温の変動に対するサンプル蓄熱遷移データの採取を行う)
○調査2:サンプルパネルを用いた平滑特性評価(土足・室内履き・裸足による被験者実験および表面エンボス度合の計測を行う)
○調査3:サンプルパネルによる被験者感性モデル調査(インテリア空間への展開下でのサンプル毎の印象評価を試験体対比較法により実施する)

 

【共同研究】アダプティブ・シェア型・賃貸型集合住宅のリノベーション計画

 
 本研究は、㈱ジェイアール東日本都市開発との共同研究であり、老朽化した官舎建物の住戸リノベーションについて、若年層を主たる対象と捉え、鉄道沿線地域のブランディングを足がかりとして、都市近郊型かつライフスタイル創造に寄与する集合住宅のモデル提案および再構築を図ることを目的としている。ひとつのキーワードとして考えられるのは、「シェアハウス」の先を行く「アダプティブ・シェア」。限られた共用部・構造条件のなかで、積極的でない共有空間のシェアを可能にし、メインターゲットの若年層のライフスタイルを支える計画にしていく。なお本研究は目下遂行中につき後日詳細を明らかにする。
 

 
 老齢少子・人口減少等による土地建物不動産の価値低下が懸念される中、ライフスタイルの多様化と若年層居住者の生活像に、「ライフスタイル創造」の余地と契機を与える賃貸型集合住宅のプランニングを明示できる点にある。高度情報化社会がもたらした多様な働き方・余暇活動・趣味生活は、既存の集合住宅デザインでは受容しきれない時代に差し掛かっており、そうした市場に対し、以下の観点でリノベーション計画を行うものとする。
a.)最低限必要な住宅設備は何か
b.)仕事・余暇・趣味等の支援に必要な住戸内・共用空間要素は何か
c.)それらがいかなるデザインパッケージであれば受入れられるか
 また当該共同研究で提案・プランニングされたモデルは、都内壁式RC構造5階建集合住宅リノベーション事業における実施設計・施工に向けた基本計画に反映されるものとする。

 

【共同研究】モバイルスペースユニット「MS1*」を用いた都市公園アメニティデザイン

 
 本研究は、三協フロンテア株式会社の保有・販売するモバイルスペース型ユニットハウスMS1*を用い、目下開発の進む東京湾海浜公園地区内において、集客効果とアメニティ要素の高い、仮設店舗の最適モデルを提案することを目的とする。
計画概要としては、東京オリンピック開催に向けた湾岸スタジアム・選手村等の計画にかかり、周辺都市・海浜公園のアメニティ向上が急務といえる。そこで本デザインレビューでは、対象公園敷地内に「MS1*」ユニットハウスシステムのモジュールを組み合わせ、公園来訪者をターゲットとした親水カフェ計画を構築・提案することとする。

 
 
計画与件と課題:
 ○敷地は「豊洲ぐるり公園(東京都江東区豊洲6-4)」
 ○当該計画に必要な光熱源等は適宜供給されるものとする
 ○計画の提案物は、時限的でも恒久的でもよいとする
 ○公園来訪者の多様なアクティビティに対応できる提案とする
 ○MS1システムのユニットとしてのメリットと、本設時におけるデメリットを明確にし、市場拡大の提案にすること
 ○建築規模は延べ面積1400㎡・地上3階建を上限とする
 ○開口部、テラス、通路等はオリジナル構築物にて提案してもよいとする

 

【共同研究】アーバン・エレメントを用いた滞留空間の創造に関する実証実験

  1. 研究目的

 本研究は、株式会社大日本コンサルタントとの共同研究事業である。近年の都市周縁部・業務核都市の近郊にて土地開発が推進される一方、人口増減の余波をうけ、区画整理事業での換地休遊地が目立つようになった。また生産緑地法の改正など、都市部の住宅地開発に際しては、緑地事業をも包括的にエリアマネジメントすべき課題に直面している。本課題は、こうした空遊地・低未利用地を対象とし、エリアマネジメントの観点から、休憩施設として機能しながら、地域住民のコミュニティ活動等に寄与できる実施方策のモデルを策定すべく、様々なデザインエレメントを入れ替えるなどし、滞在時間や利用者認知度、定着度合いなどの客観的評価を行った。

  1. 研究の社会的意義

 本研究の特徴としては、公営緑地・公園の不足している地域において、土地区画整理事業等の過程で生じた空閑地や低未利用地を利活用し、市民に親しまれる場所・歩行者休憩施設として一時整備する方策を見出す点にある。また、実証実験では、歩行者休憩施設として求められる機能・要素・配置等について、立ち寄り者の行動把握と意識調査を行う。これらの解析から、立地に合った構築モデルを実証実験的に明らかにできることが成果として想定される。

  1. 実証実験方法(エレメント利活用の実態調査・評価ポイント)

 本研究は、実験対象地において、地域住民が気軽に立ち寄り、滞在・休憩の他、各種アクティビティを実践できる簡易公開施設として整備し、後述のデザインエレメントを用い、下記の項目にて利用頻度等を実証実験するものである。
 ○接点の種別 チャーム/マグネティック/ファサード
 ○認知・定着度合い …リピート率のカウント
 ○滞在様態 …定点観測、etc…
 ○継続性 短期()/中期(季節)/長期(年越し)
また調査手法としては、定点観測ビデオ映像に基づく利用者行動抽出と、専門調査員による利用者へのヒアリング調査を行った。なお本研究は調査場所を変えて現在も継続中である。
 

 

【研究協働】NTT Docomo 渋谷サテライトオフィス39worksリノベーション

  1. 渋谷駅徒歩30秒、知を創るオフィスづくり

 本プロジェクトは、大手情報通信会社である株式会社NTTドコモ(本社:東京都千代田区永田町)の所有する、東京・JR渋谷駅下車徒歩30秒に位置する多機能型サテライトオフィス「ニカイエ」をリノベーション提案する協働プロジェクトである。このラボの運営主体は、NTTドコモの研究開発部門であるイノベーション統括部を母体とする「39works」であり、彼らと共に今後のオフィス・働き方・イノベーションの在り方を創造すべく、東京都市大学都市生活学部インテリアプランニング研究室の協働研究・プロジェクトとして取り組んだ。

  1. キーコンセプト

キーコンセプトとしては、「オリジナル・ユース」「マルチ・コア」 「イベント・アクティベーション」に重点をおき基本計画の策定を行った。ビジネス・ものづくりの業界では、未曾有のグローバル化と国際競争力が求められている。品質・技術力だけでなく、ユーザーエクスペリエンスや、フューチャーバックキャスティングといった「知」を創る未来に空間デザインがどれだけ貢献できるのか- これもひとつの都市生活学の新たな挑戦領域である。本プロジェクトの最も重要な課題は、駅前立地の利便性を十分に発揮し、いかに効率的・ユーザーフレンドリーなサテライトオフィスに再構築するかである。従前の利用者はリピーターが多く、属人的な利用・特定の人物によるイベント開催など、中長期的な運営実態を予測するに、さらなる「振れ幅」が求められる。こうした企業内ボランティア組織体のウィークポイントである「集まりの大小」「イベントの自発性」に着目、そこから「知の創造」を創発させるしくみを空間デザインのアイデアとして取り入れた。

  1. インテリアプランニング

 A案は、3つのキーコンセプトをそれぞれ、a)オリジナル・ユース裸足になり多様な姿勢でアイデア創発を促す、b)マルチ・コアユカ座・椅子座・畳座などの非オフィス的な人間集合を意図的に仕掛ける、c)イベント・アクティベーションセミナーステージを分割し同時開催を可能にする、と解釈しデザイン案に込めた。またB案は、a)オリジナル・ユース高さの違うテーブルを組合せることで用途の多様化を図る、b)マルチ・コアゾーンごとに視線の高さに違いを持たせ、分割領域化を図る、c)イベント・アクティベーション定期・不定期利用者のためのロッカー機能を併用した「myゾーン」により、ミニワークスペースを提供する、を計画の主幹とした。
 [プロジェクトメンバー]:東京都市大学 都市生活学部 インテリアプランニング研究室 高柳英明 / 研究室3年生15名+NTTドコモ イノベーション統括部